SSブログ

人間ワーグナー [クラッシク]

本日のお題は「人間ワーグナー」でございます。
クラッシク音楽の作曲家と言うのは「変人」や「非常識人」がおおかったりするのでございますが、ワーグナーは別格に悪辣でございます。

1813年生まれで、奇しくもその年アルプスの向こう側でイタリアオペラの王ヴェルディも誕生しているのでございます。20代前半の内に女優と結婚するも、持ち前の女癖の悪さで仲は冷え込む一方、しかし教会は離婚を許さないのでカソリック教会を恨んでみたり、パリで「さまよえるオランダ人」を発表したものの、あまりに実験的な作品であったために失敗すると観客を罵倒、また仕事を紹介したり、アドバイスを送ってくれたマイヤーベーアを「天才のオレが失敗したのはあいつの所為」とうらんだり、まるで「北斗の拳」のアミバのような性格を発揮するのでございますが、アミバと違ってこの男、本当の「天才」なのでございます。

マイヤーベーアを批判しながら、ザクセンに帰り、「タンホイザー」を発表し、評価を高めると、調子に乗って「ザクセン暴動」に参加し、「国王が最初に共和国の市民になれ」とか訳のわからない発言をしているところを見ると「共和制」を理解していたのか甚だ疑問でございます。勿論、この件で、ドイツから追放されるのでございます。

追放されている間に「ローエングリーン」が初演され評価が高まるのでございますが、ワーグナーは漂泊の真っ只中、スイスからフランスに入るもパリでは招かざる客であるためボルドーに住むがここでも不倫問題を起こしてスイスに戻るハメになるのでございます。チューリヒの豪商ヴェーゼドンク氏がパトロンとなり、家と収入を与え、彼は後には妻をも与えるハメになるのでございます。ヴェーゼドンク婦人との恋は「トリスタンとイゾルデ」という音楽史上に残る傑作に結実し、この問題作によりワーグナーの名は高まるのでございますが、この作品の初演にはまだ時間がかかるのでございます。「不倫」がばれてスイスを脱出、ウィーンでの「トリスタン」上演の話が出てきており、それを果たすため、まだ書いてもいない指輪の第一部「ラインの黄金」の版権をかたに借金をするも、資金不足で断念することになるのでございます。ところが最大の転機が訪れるのでございます。バイエルンの狂王ルードビッヒがパトロンとなるのでございます。そしてワーグナーは弟子のビューロー妻コジマと関係を持ち子供をもうけ、バイエルン国立歌劇場でビューローの指揮による「トリスタン」の初演が行われるという、師匠が弟子を裏切り、その弟子を利用すると言うこれぞワーグナーの真骨頂を見せるのでございます。

ハンスリックという批評家の激烈な批判にさらされワーグナーはハンスリック好みのオーケストレーションで構築された「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を発表、初演前の演奏会に批評家、著名人と共にハンスリックを招待し、演奏するのでございますが、悪役ベックメッサーの名前がハンスベックという名前でハンスリックは激怒し立ち去ると言う愉快な技を見せるのでございます。ヴェーゼドンク婦人との恋を正当化した「マイスタージンガー」は大成功を収めワーグナーの地位は不動になるのでございます。

「私は芸術家にならなければ聖人になりたかった。しかし私の才能を大衆のために発揮するのが努めであった。私の才能を充分に発揮するために贅沢は必要なのだから私の贅沢は大衆のためだ」

なんという嫌な人間でございましょう。

この男の最後は自分が指揮した「パルツィファル」に出演した歌手と関係しそれが妻に発覚し口論となり、心臓発作を起こして死ぬのでございますから、最後の最後までという意味ではある意味偉大だったのでございます。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

メッシのゴール痛快!アサヒ新聞 ブログトップ
moz-screenshot-1.jpg     朝日新聞のサンゴ捏造  記念日は4月20日
人権擁護法案に猛烈に反対してます ブログを作る(無料) powered by SSブログ national_flag2.gif

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。